A)妊娠がわかるとよく聞かれることです。たくさんあるので短時間での説明はなかなか難しいのですが、簡単にまとめてみます。
つわりがひどい時
・水分も取れない、吐きたいが吐くものがないくらい、体重が3~4キロ以上減ってしまった、、などの場合は、外来を受診しご相談ください。
・点滴、つわりのお薬(漢方薬)などの対応ができます。
・つわりにはビタミンB6が良いという報告があります。
・つわりがひどい時は、(ウエルニッケ)脳症予防の観点から、ビタミンB1の補充も考えています。(つわりの点滴には必ずビタミンB1を入れるようになっています)
つわりなどでバランス良い食事が取れないと心配な時
・葉酸、鉄分のサプリなどの補充も良いかもしれません。
ただし葉酸は主に神経管閉鎖障害(二分脊椎など)という奇形の予防のためですので、おおよそ16週以降は不要になります。葉酸を妊娠後期までのむ必要はありません。
初期検査等で血液で「貧血」の指摘がない場合は、あえて鉄剤のサプリを飲み続ける必要もありません。
外出・運動
・新型コロナ感染だけでなく、風疹や様々なウィルスなどへの感染予防は、妊娠中は免疫力が下がりますので、より慎重に行って下さい。
・妊娠中を通じて、長時間の移動・旅行は控えましょう。
妊娠中期(妊娠14週から27週まで)は「安定期」と思われていますが、ホルモン的には安定していきますが、流産・早産の危険がなくなるわけではありません。出来るだけ旅行などの予定は立てないようにしていきましょう。
・運動はむしろお勧めするくらいですが、それぞれの体力や体調に合わせて考えましょう。運動ができるようであれば、有酸素運動を主として、運動しながらも会話ができる程度に留めて下さい。心拍数が測れるようであれば、20代で150/分、40代なら140/分までの運動にしましょう。
例:ウォーキング、水泳、ヨガ、ラケットスポーツ、固定式バイク、エアロビクス、、
食生活・嗜好
・生ものは分娩までやめましょう。火の通りが不十分な生ハムや焼肉も注意です。
・アルコールはやめましょう。
・コーヒー・紅茶などのカフェインは極力控えましょう(コーヒーで1日2杯程度まで)。デカフェなどの飲料も増えていますのでご検討ください。
・水銀摂取の観点から、お魚の取り過ぎにも注意しましょう。例えばキンメダイ・メカジキ・クロマグロなどは1週間に1回までなど(詳しくは厚労省のホームページなどで確認して下さい)
・タバコは流産や生まれてからの子供の成長にも影響しますからやめましょう。どうしてもやめられない場合は、1日数本以内にしましょう。また他の人の喫煙による副流煙も害があることがわかっていますので、家族・仕事場等での協力を相談しましょう。
・ビタミンDを妊娠前から服用している場合は、妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群の予防などに良いという報告もありますので出産まで服用しても良いと思われます。
茶色・黒色の「おりもの」は出血です
・茶食や黒色のものは、量は少ないのですが出血になります。妊娠初期(妊娠14週位まで)は少量の出血で慌てる必要はありませんが、安静を心がけ、当日または翌日に受診するようにしてください。
(2022/2版 文責、丸)